「なぜ、他社の選考状況を聞くの?」
「どう答えれば良いの?」
就活の面接で聞かれる質問「他社の選考状況」
どのように答えるべきか、どう伝えれば正解なのか悩みますよね。
そもそも、なぜこのような事を聞くのでしょうか。
「そこで今回は、人事採用の経験もある私が「他社の選考状況」を聞く理由を採用側の目線で解説します!
さらに、他社の選考状況を聞かれた時の答え方やES(エントリーシート)の書き方、そして内定がある場合、全落ちしている場合など「状況別」の伝え方も、例とともに紹介します。
実はこの質問、ただありのままを伝えるのは不正解!
選考の状況を何気なく聞いているように見えて、そこには深い意味があります。
また、実は「自分をさらにアピールできる重要な質問」というのを知らない人も多いはず。
適当に答えてしまうのは、非常に「もったいない」ですよ。
目次
企業はなぜ就活で「選考状況」を聞く?その理由は…
まず、なぜ就活の面接では「他社の選考状況」を聞くのでしょうか。
その理由は、5つあります。
内定を出したら入社してくれそうか、志望度を判断したい
一つは、志望度の高さを見るために、他社の選考状況を聞いているケースです。
企業は、採用の人数を厳密に「来年までに○人」と決めて内定を出します。
ところで、新卒採用には多大なコストがかかっているのを知っていますか。
資料の用意、説明会などに関わる人件費、準備の時間や労力。
ここまでして内定辞退などで人材を確保できなかった場合、企業側はコストの無駄遣いをしてしまったことになります。
だからこそ志望度が低い人に内定を出さないよう、企業は見極めてたいのです。
また中小企業となると、この問題はさらにシビアになります。
人が足りないのももちろん困りますが、多く人が来てしまっても「仕事がない」「教育できない」「スペースがない」と持て余してしまうからです。
そういった理由から、確実に入社してくれそうな「志望度の高い人」を見極めるために、選考状況を聞くケースがあります。
志望動機に一貫性があるのか判断したい
就活面接でまず一番に聞かれる「志望動機」や「当社を選んだ理由(同業他社との違い)」が本当かどうか、その一貫性を見ている場合もあります。
たとえば志望動機が食品メーカーで働きたいと言ったのであれば、選考状況で伝える他の企業にも食品メーカーがあるはずです。
それがバラバラの業界だった場合。
「入社できるのならどこでも良いのかな?」と面接官は思うでしょう。
そういった志望度の低いと思われる人は、内定辞退の可能性もありますし、自社の業界や仕事に対する意欲も低いとまず考えます。
また業界や業種が一貫している学生は、その分野についてよく勉強していたり、企業研究が進んでる印象を受けます。
そういった理由から、この質問をする企業は多いでしょう。
他社からの客観的な評価を知りたい
他社でも(とくに同じ業界や業種で)内定をもらっている学生は、やはり良いなと感じるものです。
また内定が複数あれば、一定基準の評価を得ているとも考えられます。
そういった客観的な評価を知るために、選考状況を聞く面接官もいるでしょう。
他社の選考スケジュールを把握したい
単純に、他社の選考スケジュールを知りたいから、という理由もあります。
自社の選考スケジュールはこのままで問題ないかであったり、次回の面接や内定を出す日程の調整を測ったり。
なかには良いなと思った学生を(言い方は悪いですが)他社にとられないよう、選考スケジュールを調整するために「他社の選考状況を聞く」という企業もあるようです。
選ぶ際の判断材料にしてもらうため
「他社と迷っているのなら、自社との違いを伝えて会社選びの参考にしてほしい。」
このように思って、質問をする面接官もいるようです。
実は企業側もせっかく入社した子が、すぐ辞めてしまうことに頭を悩ませています。
採用にかかった時間、お金、労力のみならず、入社してからの教育にかかった時間や手間が、辞めた瞬間一気に水の泡になってしまうので、その気持ちは良く分かります。
そのため、企業は学生とのマッチングをより慎重に行うようになっています。
他社との違いを伝え、後悔のないようよく考えて就職先を選んでほしい。
それが会社のためでもあるからこそ、このように選考状況を聞くのだそうです。
【お悩み別】「就活面接」の他社選考状況の答え方
ここからは「他社の選考状況について教えてください。」と聞かれたときの答え方を、よくあるお悩み別に紹介していきます。
いずれの場合も、以下のポイントを押さえましょう。
①簡潔に選考状況を伝える(長々と話さない)
②会社名は聞かれなかったら言わない
③「~を受けていますが、御社が第一志望です」を理由と一緒に伝える
まず選考状況を答えるときは、長々と話す必要はありません。
またこのとき、「会社名を伝えるべきか」という質問を見かけますが、私は聞かれない限り言わないで良いと思っています。
同業他社で内定を持っていたら、たしかに印象はプラスになります。
ただ、「その会社を選んだ理由は?」「選考で感じたことはありますか」など、また次々に別の疑問(質問のチャンス)を与えてしまうと思うんですよね。
意見が分かれるところですが、会社名は伝えなくて良いのではないでしょうか。
もちろん、自信があるのならあえて挑戦するのもOKです。
回答によっては、好感度を上げることができますよ。
そして③、かならず「御社が第一志望です」と、理由とともにはっきり伝えましょう。
内定がある場合
内定がある場合は、その旨を伝えます。
ただ先ほども言った通り、会社名はまず伏せてください。
聞かれたら、答えれば良いだけです。
そして選考状況を伝えたら、この会社が第一志望だと一言添えましょう。
「はい。現在一社が書類選考中で、もう一社が△日に二次面接を控えております。それと、ありがたいことに、二社から内定をいただいています。
ですが、すでに志望動機でもお話した通り、私は将来○○をしたいという気持ちが強く、御社でしかそれを叶えられないと思っています。
そのため、内定をいただいている二社には、○日まで返事をお待ちいただいている状況です。
御社から内定をいただいた際には、その時点で就職活動は終わりにしたいと考えています。」
同じ業界の大手企業も受けている場合
同業他社の大手も受けている場合、内定がまだ出ていない状況なら、普通に選考スケジュールのみ伝えます。
ただ、会社名を聞かれて、もしその大手から内定をもらっていたら。
「どうせ、大手の方に行くんだろう」と面接官に思われない一言を添える必要があります。
なぜ大手に内定があるのに、うちの会社を選ぶのか。
面接官が納得できる理由であれば、企業からの好感度をもっと上げることができます。
注意したいのが、このとき伝える理由は大企業にはない「その会社だけの魅力」と志望動機がリンクしたものにするということ。
ちなみに、もし会社名を聞かれなくても「理由が答えられる!」というのならば、自分から会社名を出して、好感度アップを狙うのも良いと思います。
(例)「はい。一社は△日に二次面接、そして□□商事からは内定をいただいています。
ですが私は、これまで専攻してきた○○の知識を使い、将来的に○○を実現して、人々のためになりたいと思っています。
御社が○○を実際に導入し○○といった成果を出している姿に、私は自身の○○を活かせるのは□□商事ではなく、御社しかないと感じました。
そのため、内定をいただいている□□商事には、□日まで返事をお待ちいただいている状況です。
御社から内定をいただいた際には、その時点で就職活動を終わりにしたいと考えています。」
受けている企業の業界・業種がバラバラな場合
一社、二社だけ他業種が混ざっているだけなら、その会社のことは伝えない方が正直ラクでしょう。
ただ、受けている全部に一貫性がないのなら、何か理由を考えるべきです。
会社名を聞かれて答えなくてはならず、いざ答えたらまったく志望動機と一貫性のない業界で困った、という状況を避けたいですよね。
(例)「はい。□□商事と△△エージェンシー、○○サービスを受け、いずれも二次面接通過の通知をいただいています。 志望動機でも申しました通り、私は流通の○○という問題を大学で専攻した○○を活かして解決したいと考えています。 △△エージェンシー、○○サービスは業界が異なりますが、小規模ながら○○を行っていて、そちらでも○○の実現は可能だと感じエントリーをしています。 ただその中でも御社は、□□という大規模事業の中で○○を活用した、最先端の流通サービスに力を入れていると、説明会で伺いました。 そのため一番働きたいと思っているのは御社です。」
内定がない、選考状況が全落ちの場合
就活が始まってそれなりの時期に内定がまだない、全落ちしているという状況なら、落ちていることを伝える必要はありません。
では何を言えば良いのかというと、以下の例の通り「第一志望以外受けていない」という体にしてしまいましょう。
この嘘を通すには、志望度が一番高いことを(志望動機を含め)伝える必要があります。
そのため、さらなる企業研究と志望動機のブラッシュアップを行いましょう。
ただし、面接官によっては「内定を出さなかったらどうするの?」と質問が返ってくるので、その理由も答えられるようにしておきます。
(例)「第一志望の御社以外は受けておりません。
もし内定をいただけなかったら、別の会社にエントリーしたいと思います。」
1社しか受けてない場合
就活が始まったばかりの時期や、本命しか受けないスタンスなど、理由があって「選考状況が一社のみ」という場合は、ありのままその旨を伝えます。
(例)「はい。まだ時期が早いので、他の会社にはエントリーしていません。
ただ御社が第一志望ですので、内定をいただけたらほかの企業へのエントリーは考えていません。
御社さえ良ければ、早く内定がいただけた時点で、研修やインターンなどに参加させていただき、少しでも即戦力になれるよう知識を蓄えたいと思っています。」
「ES(エントリーシート)」の他社選考状況の書き方
ESによっては、他社の選考状況を書く欄があります。
基本的な部分は面接と一緒で、一貫性のない会社名や落ちた企業の情報は不要です。
そして書き方のポイントは「わかりやすく」「箇条書き」で書くということ。
ESにこのような欄がある理由は、あくまで採用担当者が他社の選考スケジュールを知りたいだけの可能性が高いため、そこまで気負って書く必要はありません。
以下の例を参考に書いてみましょう。
(選考中)
・株式会社○○会社:最終選考(結果待ち)
・株式会社○○会社:二次面接(△月△日)
・株式会社○○会社:書類選考通過(次回一時面接※日程未定)
・株式会社○○会社:エントリーシート提出(書類選考中)
(内定)
※いずれも御社第一志望のため、辞退予定
株式会社○○会社:内定(承諾期限△月△日)
株式会社○○会社:内定(承諾期限△月△日)
もし選考中のものがない場合は、「選考中の企業はありません」でOKです。
【NG例】他社の選考状況を答えるときの「注意点」
他社の選考状況を伝える際に、注意したいポイントをまとめました。
とくに「嘘をついても良いのか」「バレないか不安」という方が多いようだったので、その点にも触れています。
伝える企業は一貫性を持たせる
志望動機とエントリー企業は、一貫性を持たせましょう。
もし一貫性がないことに理由がなければ「これまでの話は適当なのか?」と、面接官も不信感を持ってしまいます。
業界や業種が違っても、そこには理由があるはずです。
たとえば「子どもが笑顔になる未来を創造したい」を軸とするなら、子どもを笑顔にしてあげられる場は、アミューズメントやおもちゃメーカー、考え方によっては服飾、食品メーカーも当てはまりますよね。
このように違う業種を選んでいても、納得のいく理由さえ説明できれば、この質問は怖くありません。
大きな嘘はつかない。けど、少しの嘘ならバレないので気にしない!
続いて、嘘をついて良いの?バレないの?という不安に対して、私の意見をお伝えします。
意見が分かれるところですが、私は「御社が第一志望です」や「他社が全落ちしたこと」「他業種の会社について言わない」などの小さな嘘は良いと思ってます。
学生側も人生がかかっているのですから、これくらいの嘘は自己防衛の範囲だと考えるからです。
そして真っ当な企業であれば、たとえそれがバレたとしても、とやかく言ってくることはありません。
なぜなら面接官も、昔は就活生だったはずですから。
就活生のつらい気持ちも、よくわかっていると思うのです。
心苦しいかもしれませんが、まずは内定を勝ち取ることだけを考えましょう。
ちなみに、就職活動を自社でやめることを強要する「オワハラ」と言われるものについても同様です。
企業が人材獲得に必死になる気持ちはわかりますが、それを学生に強要するのはお門違い。
「わかりました。」という嘘で軽く流しても、問題ないでしょう。
ただし嘘は嘘でも、深掘りされたら困る「大きな嘘」はおすすめしません。
たとえば、受けていない企業を受けたと言ったり、内定をもらったと言ったり。
こういった、自分を必要以上に大きく見せる嘘は、後々になって困ることが多いです。
他の会社の選考スケジュールを面接官が把握している可能性は大いにありますし、「選考を受けた感想は?」「その企業と弊社の違いは?」と質問してくることも考えられます。
就活において嘘は、そのさじ加減に注意して活用しましょう。
第一志望である理由を用意しておく
第一志望の理由は、受ける企業ごとに念入りに準備することをおすすめします。
一貫性の部分でも話しましたが、ここがちぐはぐだとこれまでの好感度がすべて台無しになります。
逆に言えば、企業研究などを丁寧に行い、他社にはないその会社だけの魅力と自分の企業選びの軸、ひいては人生の軸がぐうの音も出ないほどマッチしていたら……。
あなたの好感度は、きっと誰よりも上がることでしょう。
他社の選考状況を聞くのは「内定が近い証拠」!
いかがでしたか。
気付いた方もいるかと思いますが、この質問は落とそうと思っている人にするものではありません。
つまり、あなたの内定が近づいている証拠!
だからこそ慎重に、丁寧に、質問には答えましょう。
面接官への最後の一押し、ぜひ頑張ってください
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