就活で多くの人が陥る「大手病」
私の周囲は大手企業ばかり受けていたので、私も疑う事もなく大手を優先的に受けていました。
結果的に業界No.1の会社に入れたので、いわゆる大手への就職は叶ったわけですが、今振り返ると就活を進めていくなかで大手ばかり受けることは非常にリスクだと今でも感じます。
大手企業だけにこだわる「大手病」に陥る就活生は多いはずです。
本日は大手病の解説から、そのリスクや原因、リスク回避の対策まで細かく解説していきます。
就活で陥る「大手病」とは

そもそも大手病とは何か。
正式な定義はありませんが
就活において、大手企業しか志望せず、大手企業以外には行きたくないという思考状態のこと
を指します。
日本には全部で421万社あり、その中で【大手企業と呼ばれる企業は1.2万社で全体の0.3%】と言われているほどで、ほんの一部なのです。
数字から見ても大手病で大手にこだわりすぎるのは、狭き門がゆえに大手病になり他の企業を見ない事はリスクであるということになんとなく感じることが出来たでしょう。
では実際に大手病の人はどんな特徴があるのか。就活生の方は自分が当てはまるか確認してみましょう。
大手病になる就活生の特徴

大手病に陥っている人は意外と自分では気づいていないケースもあります。
冷静になって自分と向き合ってみましょう。
大手病になる就活生の特徴
- 大手病の特徴①やりたい事・企業を選んだ理由が曖昧
- 大手病の特徴②業界や大手企業以外を知らない
- 大手病の特徴③中小・ベンチャー企業から内定を取った友人をバカにする
- 大手病の特徴④俯瞰する思考力が弱い
大手病の特徴①やりたい事・企業を選んだ理由が曖昧
まず特徴の一つ目は、「目標目的意識が足りない」という事。大手へ入ることが目的になってしまいがちなので「入った後にどうなりたい/どうしたいのか」に対して明確に答えられる人が非常に少ないです。
すでに大手企業から内定をもらっている人は、改めて「自分はどんなキャリアを描くのか」「どんな人になりたいのか」を考えてみると、良いでしょう。
大手病の特徴②業界や大手企業以外を知らない
特徴の二つ目は、「大手以外の事をあまり知らない」いわゆる世間知らずの人が実は多いです。大手にしか目を向けていないので、他にどんな企業があるのか、企業とはそもそも何か。といった根底の本質情報ではなく、自分を良く見せるHowtoばかりを求める傾向にあります。
大手病の特徴③中小・ベンチャー企業から内定を取った友人をバカにする
これは僕もしてしまっていました。特に大学4年生、ゼミの皆が内定を取り切ったあとに「自分と友人の内定先を比べ合うマウント合戦」をしていました。情けないです。笑
口には出さなくとも名前の知らない内定先を聞いて心の中でクスッと笑っている人は大手病かもしれません。大手病の人は中小企業など名前が知らない企業へ就職する事を毛嫌いしている傾向にあります。
大手病の特徴④俯瞰する思考力が弱い
最後の特徴は「俯瞰する思考力が弱い」という事。先ほど解説した通り日本には421万社あります。
その中で、大手企業を受ける理由、中小ベンチャーではなく一部の大手企業にこだわる理由。様々な企業や業界を俯瞰したうえで大手企業を受けているのであれば大丈夫ですが、ほとんどの人が「ブランドがあるから」「平均年収が高いから」「福利厚生が良いから」といった理由であれば大手病の可能性が高いでしょう。
特徴①~④紹介してきましたがすべて連動すると思います。
そもそも、就活はブランドなど知っている企業から始めるものではなく、421万社という選択肢の中で、自分が何をしたいのか。人生でどのようなキャリアを描きたいのか。自分で思い浮かばなければOB・OG訪問などをして先輩社員から情報を集めることも可能です。
そういった自分の目的や受ける業界・企業を絞ってからその業界の大手・中小ベンチャーなどと絞っていくものです。
このように目的意識をもった就活をしなければ社会人になってから早期離職に繋がったり、思っていたのと違う・・・となってしまう可能性があるので、注意しておきましょう!
大手病になる就活生の原因

大手病の特徴にはいくつ当てはまったでしょうか?
ここではそんな特徴となってしまう原因(大手病となってしまう原因)について解説していきます。
大手病になる就活生の原因
- 大手病の原因①プライドが高い/完璧主義
- 大手病の原因②視野が狭い
- 大手病の原因③自分の意思がない
大手病の原因①プライドが高い/完璧主義
大手病に多いのがMARCHなど高学歴の人に多い傾向にあります。その中でも受験での失敗など、受験期の劣等感を就活まで引きずっていることが原因として考えられます。
また、大手企業ほど様々なうわさが出回りやすいためそのような情報に触れていくなかで「大手に行くことが美徳」という固定概念がこべりつき、完璧主義な人ほど「いくべきである」という偏った考えをもちがちです。
大手病の原因②視野が狭い
二つ目の原因は視野の狭さ。「大手」という本当に一部の情報に惑わされ、他の情報を集めようとしない人が多いです。
社会人になると、自分の考えを押し通すだけでなく周りの人の言葉を柔軟に受け入れる必要があるため、視野が狭いと社会人になってからも困ることが非常に多いのです。
大手病の原因③自分の意志がない
最後の原因は「自分の意志のなさ」です。
目的目標をもっていないという特徴にも結び付きますが、日ごろから自分のキャリアをどうするか、人生どうするかを考えていないことが原因で大手病になりがちでもあります。
また、親に大手を勧められたから。や友人が大手ばかり受けているから。という自分の意見ではなく、周りの意見に流される(周りに合わせすぎる)ということも原因として挙げられます。
大手病になった就活生の末路

ここまで大手病の就活生の特徴や原因について解説してきました。
実際に大手病になった就活生がどのような末路になったのか、二つの事例をご紹介します!
大手病の末路例①就活で全落ち…内定なしで就活浪人
大手企業への就職をこだわりすぎると、当たり前ですが受けられる企業の数には限りがあります。
421万社のうち大手企業は1.2万社と言われていますので、約420万社を見逃している計算になります。
これだけでもそもそも面接を受ける母数が少ないという事を理解しておきましょう。
そして大手企業ほどやはり人気があるので、内定をとれる確率は低くなります。
その結果多くの人が陥るのが「中小を見始めたのが10月頃から…」そして納得のいく内定先が得られず、就活浪人をする。。。
大手病の人の原因にプライドや完璧主義と解説した通り、中小企業も視野に入れ始めるタイミングが遅れるという現象も多いに起き得ます。9.10月以降は大手企業どころか、あまりものに近い企業が募集をしているため、なかなか良い企業にも出会いにくい傾向にあります。
先を見据えたうえで、大手に行きたいという願望だけではなく滑り止めとしてでも、視野を広げるという観点でも中小ベンチャーを必ず数回は説明会やインターンシップに出向き「知る」ことからスタートしてみましょう。
大手病の末路例②入社後の大後悔…入社一年でベンチャーへ転職
大手に内定はもらったものの、早期退職をしてしまった。。。
実際、【大手企業から中小ベンチャーへ転職する人】は少なくありません。これは「大手だから」という理由で入社を決めてしまった目的がない人の典型例です。
大学時代に大手企業から内定をもらったという自尊心を満たすのは勝手ですが、社会人生活は15年.20年とかなり長いです。
そこで必要なのがやはり目的。
目先の利益ではなく、入社後のイメージをしっかりもったうえで入社すると良いでしょう。大手がいけないわけではなく、大手から内定をもらったとしてもそれで満足するだけでなく内定者期間にその企業の事を調べて見たり、目的を探す努力が出来ていればこのようなことにはなりません。
大手病になった就活生の対策

それでは最後に大手病になった就活生がどのようにすれば「大手病から脱することが出来るのか」その対策について解説します。
大手病への対策①「大手=幸せの価値観を捨てる」
まずはそもそもの考え方について。
おそらく「大手はえらい」「大手がすべて」という概念を捨てる事です。物事には「自分が前提とする考え」が必ずあるはずです。
- 就活はこうあるべきである
- 20代はこうすべきである
- 年上の人と話すときはこうあるべきである
皆さんの「べき論」を思い返してみてください。
この前提が偏りがあったり、ネガティブすぎると何をしてもうまくいかなくなってしまいます。
逆にこの前提を柔軟にコントロールできる人は、何をしてもうまくいきます。
「就活は大手を受けるべき」何かの情報に流されただけでこの前提を持たないように注意が必要です。
大手病への対策②「自己分析を深めて軸・目的を作る」
二つ目の対策は、目的をつくることです。
実際仕事をしてみると大手へ固執すること自体がばかばかしく感じることもあります。大手に入ることよりも「自分の目的をもって、それに向かって全力で進んでいる」時の方がおそらくたのしく、充実感があるはずです。実際にベンチャーで働いている人はイキイキしている人が多いとよく言われます。それはこの目的が要因としてあるはずです。
ですので幸福感を得るためには大手に入るのではなく、自分の目的を見つける事です。その結果が大手あればなお良いと思います。
自尊心やプライドからくる欲求を満たそうとしても、なかなか満たす事はできませんのでこの理解すると良いでしょう。目的が見つからないという人が多いですが、目的を探す努力を最大限してからそのセリフは言ったほうが良いかもしれません。
・20代後半、30代、40代と様々な人と会って目的や考えを聞いてみる(そして自分が何をすべきか考えてみる)
・インターンシップやアルバイトを複数経験してみて、社会人になって何をしたいのか考えてみる
・目的の立て方などについてネットで調べたりアドバイスをもらう行動をする
このようにできることはたくさんあります。
4年間はあっという間ですので、行動あるのみ。是非参考にしてみてください。
大手病への対策③「ネットの情報に惑わされない」
対策三つめはネット情報を遮断する事です。
もちろん情報収集としては有効な手法です。しかしよくあるのが、ネットの情報を鵜呑みにしてしまう人。
目的がない人は永遠と周りの情報に流されてしまう人生になりますので、目的がない人は特に注意しておきましょう!
大手病への対策④「大手企業以外にも目を向ける」
最後の対策は「大手以外を受ける」というシンプルなものです。
滑り止めとしても、面接練習としてでも良いと思います。まずはそれらの情報に触れてみて実際に目で見てみる。
これだけでも視野は広がっています。
また大手企業でなくても大手企業の子会社や関連会社などであれば福利厚生が充実していたり、有名なのに入りやすいという穴場企業にも出会う可能性が秘めています。
大手病に注意して、10年後幸せになろう

ここまで大手病の定義から、特徴・原因・リスク、その対策まで紹介してきました。
とにかく就活生の皆さんは目的目標を探しましょう。
就活言語で言うならば「軸」をしっかり持ちましょう。
皆さんは内定を取ることは目的ではありません!
10年後、20年後幸せになり
充実した社会人生活を送ることです。
自分にとっての充実や幸福って何だろう。是非そんな先を見据えた就活が出来るようになりましょう。
これを考えたときにいかに「大手病」がリスクがあるか少し理解が深まったかと思います。
実際に私の友人でも大手企業に行った人は多数いますが
- 毎日辞めたい
- やりがいがない
- 端っこの仕事で面白くない
大手企業という一般的には得られない福利厚生や、年収を得ているメンバーでもこのような言葉は非常に多いです。
いかにブランドではなく、自分の軸で就活をするのが重要かどうかを意味しています。
未来の自分を幸せにできるのは、「今のあなた」です。
目的や軸を考えたうえでの大手思考は素晴らしいものですが、プライドや強迫観念からくる「大手病」は10年後のあなたを幸せにしてくれる確率はかなり低いでしょう。
しっかり、今と未来の目的と向き合えるように就活をしていきましょう!
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