就活生必見!銀行を目指すうえで大事なこととは

私たちの生活のなかで欠かせない存在なのが銀行。お金を貯金するだけではなく、振込先としての活用や融資を受ける際にも必要な存在です。生活のなかで存在を認識していなくても、実は影響を受けています。お金という存在が循環していないと、経済も社会もうまく回らないからです。

就活先としても銀行は人気ですが、普段の生活からは見えない部分も多いことから、実態を正確に理解している人は多くありません。そこで、銀行とはどんな存在なのか、就活としてどんなところを見ておくべきか解説していきましょう。

 

銀行での仕事と役割

銀行など金融業務は、さまざまな役割を持っています。そのなかでも銀行は「貸し手」「銀行」「借り手」という関係で成り立っているのが重要です。ここから構造を知ることで、銀行の仕事と社会における存在や役割が見えてきます。

 

預金業務

預金業務はお金を預けるだけではなく、引き出す業務も含まれています。窓口で行われる業務のイメージがありますが、大方間違いではありません。実際には窓口以外でも行われているからです。

銀行にお金を預ける意味が大きく、金利という役割は低金利時代とともに薄くなってきました。それでも銀行は預かったお金に金利を支払い運用するという意味では、銀行に欠かすことができない業務です。

 

貸付業務

貸付業務は、預かったお金をもとにして融資する業務です。企業を対象にするほか、個人に対する貸付もしています。ここで発生する利息が銀行にとって大きな利益になるからです。

利息は利益につながるだけではなく、返済が滞ったときに対するリスク管理にもつながります。そのため、さまざまな調査から審査を行い、融資しなければいけません。審査の厳しさと利息の関係が見えてきます。

 

為替業務

銀行の利益源泉のひとつで、振り込みや送金のことです。勘違いされやすいですが、外貨と日本円を交換する外国為替ではありません。公共料金の引き落としなどがありますが、他行への送金、振り込みなども為替業務です。ここでも手数料を取ることで、銀行の利益源泉になっています。

 

銀行の種類

銀行というと、どこも業務は似たり寄ったりで同じように見えるかもしれません。利用者側から見ると、ひとくくりにされがちですが、それぞれ役割に違いがあります。特に就活の面では、社会的な存在価値も含め違いを知らなければいけません。

 

日本銀行

日本の中央銀行として、政府銀行であり、発券銀行として機能してきました。日本で唯一お金を発行できる存在というだけでも違いがあることがわかるでしょう。日本銀行券という正式名称にもあらわれています。

銀行の銀行という立場でもあり、日本の通貨だけではなく、経済にも大きな影響を与える存在です。そのため、一般の顧客は持たず、銀行に対してのみ機能します。

就活先としては特殊な部類で、一般的には対象になりません。

 

政策金融機関

特殊法人として設立された金融機関です。出資先は日本という国であるところも大きな特徴になります。ニュースなどで出てくる政府系金融機関が相当しますが、日本政策投資銀行、日本政策金融公庫など名称ではっきりわかる存在です。

目的が経済発展や国民生活の安定など、民間銀行では対応できない部分を対象にしている点でも銀行としての性格が異なります。

日本銀行と同様に一般的な銀行への就活対象とは異なる存在です。

 

ゆうちょ銀行

郵政事業が民営化して民間銀行になったのがゆうちょ銀行です。国営だった郵政事業を引き継いだため、日本最大級の預金残高となりました。

郵便局から派生しているため、全国どこに行っても利用できるほどのネットワークのはゆうちょ銀行の強みです。民間銀行ではありますが、成立の違いからも特殊な立場にあるといえるでしょう。

 

メガバンクと都市銀行

日本ではメガバンクという正式名称はありません。ですが、三菱UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行をメガバンクと呼んでいます。銀行の大合併が進む以前は、都市銀行もかなりの数がありましたが、現在はメガバンクにりそな銀行を加えた4行を呼ぶようになりました。

規模の大きさで、地方銀行などとは違います。世界的な展開もしていることが多く、多岐にわたるビジネス展開もしている銀行です。

 

地方銀行と第二地方銀行

正確には全国地方銀行協会の会員であることが、地方銀行の枠組みです。第二地方銀行協会の会員の場合には、第二地方銀行と呼びます。

全国展開しており、ある程度の人口規模の都市に本店を置いている金融機関なのが地方銀行です。地域密着型で地域経済に強い影響力を持ちます。

 

第二地方銀行は地方銀行と流れが異なっている点に注意が必要です。もともとは相互銀行が株式会社化されたためです。地域密着ではありますが、規模はもう少し小さくなります。

 

信用金庫と信用組合

銀行とは異なる法律で組織されてきたのが信用金庫や信用組合です。銀行という名称ではない点に大きな違いが見られるでしょう。地域の資金を地域で使うという流れも大きな違いです。銀行は営利企業ですが、信用金庫や信用組合は非営利である点も違いなります。信用金庫は銀行に近い存在ですが、信用組合は相互扶助を目的としているため、別の組織です。

 

信託銀行

銀行業務に信託業務と併営業務をプラスした存在です。預貯金を源泉としているほか、不動産や有価証券も運用します。この利益を還元する点がほかとの大きな違いです。

併営業務には、信託銀行が持つ特色があらわれています。不動産仲介や証券代行といった業務のことで、信託銀行独占業務のため、ほかの銀行では扱えません。

 

ネット銀行

現在、大きな勢力となってきたのがネット銀行です。銀行の勢力地図を塗り替えてきた存在で、店舗は最小限に抑えながら、インターネットで取引するところに特徴があります。店舗展開が必要ないことで経営コストが抑えられることから、金利などサービスで差別化できる強みを発揮し、急成長してきました。インターネットで24時間展開できることも強みです。

 

銀行業界の動向と抱えている課題

IT技術の発展により、金融に関する世界は転換期を迎えたといえます。これまでは銀行という存在価値の高さだけ打ち出せばよかった業界は、変革しなければいけない立場に変わってきたからです。今後の動向が就活にも大きな影響を与えることからも、どのような流れに変わりつつあるか知る必要があるでしょう。

 

仮想通貨と銀行

銀行の存在を大きく変えつつあるのが仮想通貨です。通貨には、国家の価値の保証があります。自国で発行するからです。ところが、仮想通貨にはインターネット上で通貨と同様に扱われても、どこかの国に依存していないために保証がありません。

世界的に日本では仮想通貨の取引は遅れていますが、それでも普及が進んできたことは事実です。これは保証がないことによる投機的な利用の方が先行しているためといわれてきました。信用の面では低いことは確かですが、金融業界に対して強い影響を与えてきているのは間違いありません。

 

キャッシュレスの影響

新型コロナウイルスの影響以降、急激に進んだのがキャッシュレスです。クレジットカードや電子マネーなど、現金を持たずに決済できるのが強みであり、接触を最小限に抑えられることから一気に普及した背景があります。国策としても進められたことが、さらに普及を加速させました。

キャッシュレスは、仮想通貨との関係性も重要です。インターネットを介して利用するオンラインサービスとの親和性が高いため、活用も進んでいます。逆にチャージ式の前払いでのキャッシュレスも利用者が増えました。キャッシュレスの技術は加速度的に進んでおり、すでにカードも必要とせず、スマートフォンだけで決済できるサービスも普及しています。

 

フィンテックの存在

ファイナンスとテクノロジーの造語で、2015年あたりから使われるようになったのがフィンテックです。仮想通貨やブロックチェーン、キャッシュレスといったサービスや技術、概念を指しています。

フィンテック協会も発足しており、メガバンクも着手している点で、金融業界に対しての影響の大きさが見て取れるでしょう。仮想通貨やキャッシュレスだけではなく、時代とともに新たなサービスが生み出される可能性があります。業界的に見ても、大きな影響を与える要因となるのは、それだけインターネットなどの普及が進んでいるためです。

 

人員削減の波

上記した要因からもわかるように、銀行を含む金融業界は、そこまで多くの人員を必要としなくなってきました。業務の効率化もありますが、店舗などの必要性が下がったことで、人員削減の波がやってきたからです。

不採算な店舗を占めるといった決断をする銀行が多くなりました。しかし、業績悪化と結びつけるのは早計です。成長している分野に変化があらわれてきているととらえなければいけません。人力からインターネットやAIの活用。この点においては、ほかの業界と大きな差はありません。金融機関でもそれだけの知識や経験が求められるようになってきたといえるからです。

金融機関ではデジタル化が遅れていた部分がありました。ようやく着手が始まったことが、人員削減の波につながっているのも事実なのです。

 

銀行へ就職するメリットとデメリット

就活として銀行をとらえたとき、これからの人生に対してどのようなメリットがあるか、またデメリットが生じるかを考えておかなければいけません。単純にステータスというだけでは済まない部分もあるからです。

 

社会的信用と金融の知識

ステータスという部分では、銀行に就職できれば社会的信用度は高くなります。お金という存在はいつの時代でも欠かすことができません。そのお金を取り扱うスペシャリストというイメージが、社会的にできあがっているからです。

実際に毎日お金に触れるため、知識やスキルも身につきます。これが更なる社会的信用につながるのも事実です。お金に関するプロとなり、他社の業績判断や融資の実態、資産運用という面での力もつきます。

 

拘束時間の長さと責任の重さ

銀行業務の持つデメリットとして、拘束時間の長さがあるでしょう。1円でも計算が合わないと追及しなければいけません。自分以外の人のお金を預かるため、責任の重さもついてきます。常に責務の重さを感じ、業務を遂行するため、どうしても拘束時間が長くなる傾向があるのです。

 

ノルマの側面も忘れてはいけません。実績を上げなければ生き残れない業界で、向かい風をモチベーションにつなげられる人にとっては天職です。逆にノルマに苦しめられる人が多い業界ともいえ、長い拘束時間にもつながる悪循環を持っています。

 

銀行で働くためには、常に勉強が必要です。お金のことだけではありません。顧客の業界の特性も理解し頭に入れるためには、勉強するしかないからです。幅広い知識も求められることは、働くうえでの大きなデメリットにもつながります。

 

銀行で求められる人材

就活でも重要になるのは、求められる人物像です。適性を見極めるためにも、求められる人材はどのような人なのか、分析する必要があるでしょう。

 

正確さと責任感

だれかのお金を預かる。これだけでも正確さが必要なことは間違いありません。

資産を預かる立場となるため、責任感も必要です。この二つの適性がなければ銀行には勤められないと言い換えてもいいほど重要視されます。

 

伴って、強いストレスが発生する可能性があるため、要求に耐えられるストレス耐性もなければいけません。

 

誠実な対応

銀行はお金だけを見て業務を遂行するわけではありません。その先には常に顧客がいます。

顧客は銀行というだけで神のような扱いをする時代ではなくなりました。常に誠実な対応が求められることからも、人物像として重要な意味を持つようになったのです。

テレビドラマで見るような、銀行員だから上から目線というような人は、人材として求められなくなりました。

 

勤勉であること

拘束時間も長く、信用ということが重要な銀行では、勤勉であることも求められます。自分が顧客の立場に置き換えてみましょう。勤勉ではない担当者なら、すぐに変えてもらうかほかの銀行にしようと判断するからです。大事なお金に関する業務の対象が銀行。その担当者が勤勉でないなら、利用する価値は半減します。

銀行の業務は、たった1文字間違っただけでも大きな影響を与える仕事です。勤勉であることは就活で見られる絶対条件といってもいいでしょう。

 

まとめ

就活の対象として銀行を見たとき、それまでのイメージとは異なる部分も出てくるはずです。顧客は多岐にわたり、業務内容も非常にシビアで妥協を許しません。業務として信用が最大のポイントになるため、就活でも重要視されます。信用を得られない可能性がある人物なら、そもそも必要としないからです。

 

銀行も時代の流れとともに大きく変革が求められるようになりました。人員削減の波は来ていても、事業としての継続性や新たな分野への対応などを考えれば、これまでとは違った人材も必要としています。就活としてもこれからの動向は大きな影響を与えるため、情報収集を欠かさないようにしていきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です