「文系ではどんな職業が人気なの?」「文系の狙い目職種を知りたい!」と思っている学生も多いのではないでしょうか。
以前は「文系学生の就職は理系よりも厳しい」と言われていましたが、近年では文系学生の能力を求める企業も多く、毎年、大手や有名企業へ文系の学生が就職しています。
この記事では、文系の就職の特徴や就職に向いている業界、人気業界、就職を成功させるコツなどを解説します。
目次
文系が就職できる仕事の特徴
文系の場合、選択できる業界や職種、企業が幅広く多岐にわたります。
理系業界でも文系を募集している企業や、理系でも文系でも応募できる仕事もあり、仕事が選びやすいのが文系の特徴です。
これから紹介する特徴をふまえて、深く企業研究を行い自分の希望や将来への志望とすり合わせてじっくり検討しましょう。
選択肢が豊富
文系の就職活動は、学部や専門分野が重要視されないことが大きな特徴です。
理系就職は「推薦」と「公募」の2種類の応募方法があります。公募は一般応募のことで、募集をかけている企業に対して、自分から応募をしなければなりません。
一方、推薦は学校とつながりのある企業へ推薦してもらう形で選考を受ける形です。
文系就職の場合は、公募形式で活動していくことになります。
応募条件に必要条件が記載されていることは少なく、いろいろな企業に応募することが可能なので選択肢も豊富です。
ポテンシャル採用
新卒採用はポテンシャル採用です。何ができるかよりも人物像が重要視されます。
知識やスキルは求められないことが多く、基礎的なコミュニケーション能力や意欲などが判断基準となります。
そのため、大学で学んできた学部や、学科と全く関連のない業界や職種にも就職が可能です。これほど多くの職業を選べるのは、新卒就活ならではの特権です。
専門的な知識やスキルが必ずしも求められないかわりに、客観的なスキルや能力で評価しにくいので、面接では他の就活生との差別化を意識する必要があります。
資格がいらない仕事が多い
入社するのが難しいといわれる大人気企業でも、資格は問われないケースが多いのも文系就職の特徴です。もちろん資格や免許がないよりはあった方が有利ですが、必ずしも資格がなくともできる職種が多く、資格は入社後でも取得は可能です。
たとえば、税理士や会計士、ファイナンシャルプランナーや社会保険労務士、中小企業診断士などは企業に所属しながらでも取得できます。ただし、保育士、教師、司法書士など、資格がなければ応募資格がない職種もあるので、事前に資格が必要です。
文系が就職しやすい職種
文系はポテンシャル採用なので、専門知識が必要な分野には就職できませんが、逆に言うと専門知識がなくてもできる分野には就職しやすいということです。
今から紹介する「文系が就職しやすい職種」を参考に、自分の可能性を最大限に発揮できる就職先を見つけてくださいね。
営業職
営業は企業の売上業績に直接関わる重要な職種です。
顧客とかかわる機会が多く、企業の「顔」としての役割もあります。
一般的に、営業は実績が数字で現れるため、成果に応じて給与なども変化するのが特徴です。コミュニケーション能力が高い人や、情報収集を行い行動に移すことができる人は営業職に向いています。
営業職には企業向けの法人営業と個人営業があり、営業職の種類は以下のようなものがあります。
- 新規開拓営業:新しい顧客を獲得する営業
- ルート営業:すでに取引実績がある既存顧客に対して製品などを売り込む営業
- 訪問営業:顧客のもとに訪問しておこなう営業
- 飛び込み営業:アポイントを取らずに法人や個人宅に訪問して製品などを売り込む営業
- テレアポ営業:法人や個人に電話をかけ、訪問のアポイントを取る営業
- 反響営業:折り込みチラシやダイレクトメール、ホームページなどを見て問い合わせをしてくる顧客に製品などを売り込む営業
一般的に、総合職で採用された文系の人が配属される傾向があります。
事務職
事務職は、文系の仕事として特に女性に強くイメージされています。電話対応や数値入力作業が一般的です。基本的に業務のほとんどがパソコンを使用しておこなうので、パソコンスキルはあった方がアピールできます。
しかし、毎日使用しているうちに身につくものなので、今から慌てて勉強する必要はありません。事務職は、営業などのバックアップ業務で生産効率を向上させる職種なので、企業にとってはなくてはならない職種です。
コツコツと物事をやり遂げるタイプの人には向いている職種です。
企画・マーケティング職
企画職は、商品や宣伝広告など、売上を上げるための企画を立案する職種です。
企画を立案するには、トレンドや社会情勢などの情報収集が大切なので、常に市況をチェックする必要があります。あわせて、顧客ニーズを察知する能力も必要です。
商品開発なども企画職に含まれることも多くあります。
問題解決が得意な人や、新しいものを企画することが得意な人に向いている職種です。
人事・総務職
人事、総務、法務などは管理部門と呼ばれます。人材や会社の規定など管理の対象はさまざまで、会社が円滑に回り業績を伸ばすための支えとなる大切な職種です。
社員のサポートや、会社全体に関わる業務がメインで、ミスのない正確な仕事が求められます。社外とのかかわりが比較的少ない職種ですが、社内を円滑にまわすために社員との円滑なコミュニケーションが必要です。
経営学部の学生などが有利なイメージがありますが、どの学部でも問題ありません。
財務・経理職
経理・財務職はお金を扱う部署で、仕事内容はそれぞれ異なります。
経理は日々の取引を記帳して決算書などの資料を作成する仕事で、財務は支払いや仕入れなど、日々のお金の流れを把握して資金管理をする仕事です。
財務と経理が統合されている企業も多く、お金全般を扱うとても重要な職種です。
数字を扱うので、数字に苦手意識がない人に向いています。
どの企業でも通用するような専門的な知識やスキルが身につくことが特徴です。
文系の就職先で人気のある業界
幅広く応募できる業界・職種がありすぎて、やりたいことがはっきりしていないという人は、事前にしっかり業界研究を行い自分のやりたいことを見つけましょう。
文系の学生に人気の就職先を紹介しますので、参考にしてくださいね。
金融業界
金融業界には「お金を融資する仕事」と「お金に関わる商品を販売する仕事」があります。
メガバンクや地方銀行、クレジット会社を総称して金融業界と呼び、扱っている商品は証券やローン、クレジット関連です。
具体的には、顧客から集めた預貯金をもとに将来性のある企業に資金の融資を行い、金利が利益となります。また、経営に関するアドバイスなど、投資や保険業務以外にもさまざまな形で顧客とかかわります。
生命保険、損害保険も金融業界に分類され、生命保険は「ヒト」に対する保険で、損害保険は「モノ」に対する保険を販売しています。金融業界は安定している業界と言われており、文系の就活生から人気です。
インフラ業界
インフラ業界は社会になくてはならない基盤を整備している業界です。
具体的には
- エネルギー関連(電力、ガス、石油)
- 交通関連(航空、鉄道、地下鉄)
- 通信関連
など、さまざまな領域があります。
インフラ業界は許可事業であることも多く、他社が参入しにくい安定産業です。
他の業界と比べて給与も高い傾向にあり、文系の就活生から人気があります。
IT業界
IT業界は、主にソフトウエアなどのプログラム開発や、システム開発、そしてその運用と整備を行う業界です。それに関連した事業も行っており、さまざまな業態があります。
ソフトウェアや通信のようなIT業界は、クラウドやAIなどの発展により、今後の需要が高い業界です。
「IT=エンジニア、エンジニア=理系」というイメージが強いのですが、文系向けの職種も募集されています。
- クライアント企業への営業活動
- 社内の人材管理
- コンプライアンス管理
- 企業運営(総務・経理)
など
そのため、理系文系問わず人気の業界となっております。
損保業界
損保業界とは、自動車保険や火災保険など、モノに対する保険を扱う保険業界です。
類似する業界に生命保険業界があります。
損害保険といっても幅は広く、企業ごとに扱う保険や強みのある分野が異なります。
企業ごとの志望動機を考える際には、その企業が強みを持つ保険や分野に注目するといいでしょう。
損保は給与も高めで人気業界のため、採用のハードルは高い傾向ですが、学部や学科は関係なく、系・理系どちらであっても就職のチャンスはあります。
必須の資格もなく、就職の門戸は広く開かれています。
総合商社
商社は輸出入貿易を通じて、国内における物資の販売を行う企業です。
「モノの売り買いの仲介役」としての役割があり、卸売業と呼ばれることもあります。
幅広い商品やサービスを取り扱う「総合商社」と特定の分野に特化した商品を取り扱う「専門商社」に分けられます。
商社は海外勤務や海外との取引を行う機会が多いのも特徴で、1回の取り引き額が億単位であることも珍しくなく、スケールが大きいやりがいのある仕事です。年収が高いことも商社の魅力となっています。
「海外で働きたい」「大きい仕事がしたい」「高い年収を得たい」という一般的に多い希望条件にマッチしており、商社は文系学生から人気です。
世界を相手に活躍するため、語学力が必要になります。
文系の就職を成功させるコツ
理系とは違い、選択肢が多い文系の仕事では、就活を成功させるいくつかのコツがあります。ひとつずつ見ていきましょう。
文系の就職を成功させるために、以下のコツを意識して就活に取り組んでくださいね。
自己分析をする
文系の就職はポテンシャル採用なので、自己分析が重要になります。
自己分析をしっかりとしていないと軸がブレてしまいがちです。
自己分析は自分を見つめ直す機会なので、時間をかけておこないましょう。
次のようなポイントに注目して分析してみてください
- 就職してどうなりたいかを明確にする
- 自分の性格について分析する
- プライベートでの興味・関心についても振り返る
- 自分の強みを見つけ、言語化する
- 学生時代に力を入れたこととそこで学んだこと
就職活動の軸を決める
就職するにあたって希望はあると思いますが、全てを叶えるのは現実的ではありません。
希望する条件を書き出し、優先順位をつけると絞りやすくなります。
- 活かせる強み
- 職種・業種
- 勤務時間、休日
- 転勤の有無
- 給料
- 企業規模
- 評価のされ方
- キャリアプラン
思いつくままで構わないので書き出して、優先順位をつけましょう。
絶対に譲れない条件は妥協しないことが重要です。
企業研究をする
企業研究は詳しくおこないましょう。
漠然とやりたい仕事を決めたり、イメージだけで決めたりした場合には、就職活動中や就職後に「思っていたのと違う」というミスマッチが起こりやすくなります。
そのため「どの分野に進みたいのか」や「どのような業務を担当したいのか」を考え、業界・企業研究を進めましょう。
転職エージェントを利用する
エージェントは転職希望者が利用するイメージがありますが、新卒でも利用が可能です。
自己分析から求人紹介、選考対策など就活に関する全般的なサポートを無料で受けられます。
ほかにも、志望企業に合わせたアドバイスや、面接指導をしてくれるなど多くのメリットがあります。アドバイザーの知識が豊富で、求職者に合った仕事を提案してくれるので、自己分析や業界研究でも気づかなかったことに気付くことができるのが特徴です。
スカウトサイトに登録する
就職のチャンスを広げるには、スカウトサイトに登録することも有効です。
就活は就活サイトや企業の採用ページから自分で企業を選んでエントリーするのが一般的です。しかし、逆求人サイトでは、就活生が登録したプロフィールに興味を持った企業からオファーが届く仕組みです。
それまで視野になかった業種や職種が発見できるうえ、企業は自分に興味を持ってくれているので、選考がスムーズに進む可能性も高くなります。
まとめ
文系の就職は専門的な知識や技術が必要ない分、理系に比べ就職先の選択肢が多く、しっかり自己分析を行えばライバルと差別化することができます。
選択肢が多いだけに迷う人もいるかと思いますが、この記事を参考に、文系におすすめの仕事の特徴を把握して就活に役立ててください。
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