目次
親近効果の実験紹介
親近効果は
アメリカの心理学者「N・H・アンダーソン(Norman Henry Anderson)」が提唱しました。
1976年の実際の実験をご紹介します。
実際の事件を元にした模擬裁判
- 弁護側と検察側で6つずつの証言を用意
- パターンA:証言を2つずつ交互に提示
弁護側証言を2つ⇒検察側の証言を2つ⇒これを繰り返す裁判 - パターンB:6つの証言をすべて一度に提示
弁護側の証言を6つ⇒検察側の証言を6つ
上記の条件で
陪審員はどちらに判決を出すのか。という実験です。
結果は
いずれのパターンでも最後の証言をした側に有利な判決
となりました。
この実験の結論
「人は異なる情報源から複数の情報を与えられると最後に提示された情報に左右されやすい」ということです。
親近効果⇔初頭効果|その違いや注意点
初頭効果と親近効果、どう違ってどちらが重要なのか・・
詳しく説明していきます。
まず、初頭効果と親近効果の大きな違いは「相手の関心度合い」です。
「相手が聞く姿勢ができている」
相手の関心が低い時有効的
「相手が聞く姿勢ができているか不明確」
営業での商談など
相手を確実に納得してもらいたいときなどに
前半は重要度の低い内容、
後半に重要度の高い情報を持ってくるのが良いでしょう。
↓初頭効果と親近効果の使い分け一例↓
状況 | 初頭効果 | 親近効果 |
印象付けする意見の種類 |
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情報源の数 |
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相手のタイプ |
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例えば、よく観察する相手に対して初頭効果を使わず第一印象を悪く見られてしまうと
親近効果を使おうとしても効果は薄まってしまいます。
むしろ早く結論が欲しい相手に親近効果は悪い印象を付けかねません。
場面や相手によってどちらも使い分けていきましょう。
初頭効果と親近効果はどちらが良い悪いではなく、どちらも大事でどちらもしっかりと使いこなせる事が重要です。
親近効果に関連する心理効果
ピークエンドの法則
ピークエンド効果とは
ピーク(最も感情が高揚したとき)と
エンド(出来事が終わったとき)
の記憶で全体の印象が決められるという法則です。
- 例えば【部活の良い思い出】
部活をした人は「良い思い出」と振り返る人が多いかと思います。
勝利した/活躍した経験(ピーク)や最後の試合や監督に感謝を伝えられたや引退試合の経験(エンド)が印象付けられている人が多いです。
実際には「良い経験」だけでなく「苦しい」思いや「辞めたい」と感じる部分があったにも関わらず上の例のような印象をもった人は多いはずです
これはピークエンドの法則で記憶が印象つけられている例になります。
ハロー効果
ハロー効果とは、
何かを評価するときに
目立ちやすい一つの特徴に引きずられて他の評価が歪む心理効果の事です。
- 例えば【テレビCM】
有名で高印象俳優のAさんをCM起用したとき、
消費者は「Aさんが良い(印象が良い)から●●(商品)も良いかも」と感じます。
●●(商品)を実際に使っていないにも関わらず、Aさんの高い評価によって商品のイメージが良くなるという歪んだハロー効果が働いたときの例です。
これは企業は商品PRなどの際に有効的となります。
スキャンダルがあったりするとCMや番組降板・・
これはこのハロー効果が悪い方向に働いてしまうため、企業がとってるマーケティング戦略の一つなんですね!
まとめ|親近効果の重要性
いかがだったでしょうか?
自分の印象や商品の印象を向上させるうえで
同じ話しの内容でも、
- 情報提供する場はどのような状況か
(1対1か、や大勢からの情報提供か) - 相手は何を求めているのか
(どの情報が欲しいのか、結論が早くほしい人なのか)
をくみ取る。
※ここがずれてしまうと逆効果の原因となります。
最終的に親近効果(重要な話を最後に提示して印象に残りやすくする)
を活用して印象をコントロールする。という内容でした。
親近効果を活用する事は
人間関係や仕事にも好影響が出ます。
何気ない事で普段から実践しているという人もいたかと思います。
意識的にしすぎると最初は不自然な会話(慣れない手法のため)になったりする可能性もあります!
徐々に自分の一つのスキルとして活用してみてください!
2020年に田中みな実さんが利用したコスメが大流行する「みな実買い」という言葉がでるのもこのハロー効果ですね。